未来の森林を守り、地域を活性化するための第一歩。それが「里山カレッジ」の自伐型林業研修です!軽トラックとチェーンソーがあれば、誰でも始められる自伐型林業。この研修では、里山で暮らすために欠かせないスキルや、森とともに生きる知恵を実践を通じて学べます。自然と調和し、小規模で持続可能な林業のノウハウを一から習得しながら、安定した収益を目指せる内容です。初心者も安心の丁寧なサポート体制で、未来の里山と地域を一緒に築き上げましょう!
里山カレッジは十勝と白老の2箇所の会場で実施します。それぞれの日程や実施内容をご確認のうえお申し込みください。
※全日程申込の締切を迎えましたが、好評につき個別申込は各講習の7日前まで随時申込を受け付けます!
開催概要


開催期間 | 2025年5月30日~2025年11月15日【計8回、14日間】 |
開催場所 | 池田町・幕別町 |
研修内容 | 5/30(金)- 5/31(土) チェーンソーワーク 6/20(金)- 6/21(土) 作業道敷設 6/22(日),11/15(土) 樹種解説 7/5(土) 展開相談(オンライン) 8/22(金)- 8/23(土) QGIS・QField 9/12(金)- 9/13(土) 林業6次化 10/17(金)-10/18(土) 間伐 11/14(金) ホダ木生産 |
受講料 | 各回 :6,000円~12,000円(税込) 全日程:70,000円(税込) |
申し込み方法 | 申し込みフォームから申し込み または、用紙をダウンロードしてFAX送信 |
定員 | 20名 |
申込締切 | 各講習の7日前まで |
主催 | NPO法人北海道自伐型林業推進協議会 |
助成 | 休眠預金等活用事業「地域山林の未来を担う林業者サポート事業」![]() |
カリキュラム
チェーンソーワーク 5/30(金)-5/31(土)

自伐型林業を始めるためのチェーンソーワークの基礎を固める2日間。初めての方はもちろんチェーンソーを使った事のある方にも安全に作業を行う技術の向上に繋がります。玉切りや伐倒技術、目から鱗のメンテナンステクニックも満載。
北海道各地で活躍する林業家たちによる、実践的なチェーンソー講習会を開催します。本講習は、「安全に楽しく作業する」ための第一歩として、チェーンソーを扱ううえで本当に大切なポイントだけを厳選した、スペシャルな内容です。
これまで自己流で薪づくりをしてきた方、裏山の手入れを始めたい方、自然と向き合うために道具としてチェーンソーを使ってみたい方など、さまざまな理由で受講されています。共通するのは「自然を大切にしたい」「真剣に向き合いたい」という想い。その気持ちこそが、小さな林業を支える大切な土台です。
講習では、日常生活での使用頻度や作業内容に応じたチェーンソー選びから始まり、実際に触れて・使って・メンテナンスする中で、自分に合った道具を見つけていただきます。講師が独断と偏見で選び抜いた実用的なギアの数々を、体験を通して確かめられる機会でもあります。
また、実技では「ただ木を切ればよい」という考えではなく、木の見えない動きや力のかかり方を読み取る力を養うことに重点を置いています。玉切りの際には、あえてチェーンソーを挟めてみるなどの工夫を通して、支点・力点・作用点の違いによる木の反応を体感してもらいます。こうしたポイントを意識するかどうかで、安全性にも大きな差が生まれます。
上達への近道は、難しいことよりも、基本を何度も丁寧に繰り返すこと。チェーンソーの扱いに必要な基礎動作を徹底的に練習し、現場でも役立つ感覚を身につけていきましょう。 自然と向き合いながら、安全に、そして楽しく木と関わっていく。その第一歩として、この講習が皆さんの力になれたら幸いです。どうぞお気軽にご参加ください。
開催地 | 幕別町 |
時間 | 9:00~16:00(8:45集合) |
講師 | 清水 省吾 【里山部代表】 |
作業道 6/20(金)-6/21(土)

山に道を入れると、車両を入れることができるようになります。木材搬出や作業が効率的にかつ安全性も高まります。なるべく自然に負担がかからない方式で森林作業道を開設するための基礎知識を座学と山林にも足を運び学びます
― 森を活かす道を、自分の手で ―
森林を持続的に手入れし、次世代へと引き継いでいくために欠かせないのが「作業道」の整備です。自伐型林業においては、山を壊さずに活かし続けることが最も重要であり、道づくりはその根幹をなす技術といえます。
この研修では、自伐型林業の理念と作業道の役割について学びながら、実際に森に入ってルートを考え、道をつくる実践的な内容を用意しています。座学では地形図の読み方やルート選定の基本、安全管理のポイントなどを学びます。森を傷めない道とは何か、長く使える道にするためにはどうすればよいか、その考え方を丁寧に共有します。
実技研修ではミニバックホーなどの機械を用いながら掘削や法面処理、排水計画といった基本的な作業を体験していただきます。また、現場で実際に施工された道を見学しながら、改善点や応用のヒントも学びます。作業道づくりは単なる施工技術ではなく、「森と対話する力」が求められる仕事です。
この研修は、自伐型林業に取り組む方や、地元の山を自ら手入れしたいと考える方にとって、必要な知識と現場力を身につける絶好の機会です。安全で壊れにくい道をつくる技術は、将来にわたって収益性や森林保全に大きく関わる重要な要素です。
樹種解説 ①6/22(日)、②11/15(土)

― 樹を知ることは、森と生きること ―
伐採した木を収益につなげるためには、まず樹木を正しく見極める力が求められます。それぞれの樹種が持つ特徴や性質を理解し、その魅力を最大限に活かした加工・販売方法を考えることが、持続可能な林業への第一歩です。
本研修では、講師とともに実際の森を歩きながら、北海道の天然林に育つ様々な樹木を目で見て、触れて、学ぶ実践的な内容となっています。木の特徴や生態、活用方法を一つひとつ丁寧に学ぶ中で、「なぜこの樹を残すのか」「どの木を伐るべきか」といった戦略的な視点が自然と身についていきます。
樹種を学ぶことは、単なる知識の習得にとどまりません。木々の個性を知ることは林業の技術的基礎であると同時に、大きな楽しみの一つでもあります。
同じ森でも、見方を知ればまったく違う風景が見えてくる――それが森と深く関わる喜びでもあります。
この研修は、単なる自然観察にとどまらず、森林の未来を見据えた自伐型林業の本質に触れる機会です。林業を志す方はもちろん、森林との新しい関わり方を探している方にもおすすめです。
開催地 | 池田町 |
時間 | 9:00~16:00(8:45集合) |
講師 | 興梠 修 |
QGIS・QField 8/22(金)-8/23(土)

林業をするためには伐採地の所有界や面積などを把握する必要があります。QGISは誰でも無料で使う事ができるGISソフトです。ご自身のパソコンでQGISを操作したり、スマホで山林の境界が確認できるQFieldの使い方も研修します。
― デジタル地図で、森の管理が変わる ―
森林の境界確認、作業道の計画、伐採エリアの記録管理──こうした日常的な林業作業を、より正確に、効率よく行うための強力なツールが「QGIS」と「QField」です。
今回開催する研修では、オープンソースの地理情報ソフト「QGIS」と、それに連携するフィールド用アプリ「QField」の基本操作から、林業現場での具体的な活用方法までを体系的に学んでいただきます。講義と実習を通じて、研修の翌日からすぐに現場で役立てられるような、実践的なスキル習得を目指します。
研修ではまず、QGISを用いた森林境界や作業道の作図、航空写真や地形図の読み方など、林業で必要となる地図の基本操作を習得します。続いて、QFieldを使ってスマートフォンやタブレットで現地のデータを記録・閲覧・修正する方法を学び、オフライン環境でも活用できる運用術まで解説します。
QGIS・QFieldは無料で導入できるツールでありながら、その活用範囲は非常に広く、特に少人数・低投資で行う自伐型林業にとっては強力な武器となります。境界誤認や作業の手戻りを防ぎ、作業履歴や植生情報の記録、共有、報告まで一貫して行える点が大きな魅力です。
「デジタル地図は難しそう」と感じている方でも大丈夫です。研修では、初歩から丁寧にサポートし、実際の現場に即した内容で進行します。地図が読めるようになることで、これまで見えてこなかった森の姿や、施業の可能性が一気に広がります。
地図を使いこなすことは、森を理解し、活かすことにつながります。 この研修を通じて、あなたの林業をもう一段進めてみませんか?
開催地 | 池田町 |
時間 | 9:00~16:00(8:45集合) |
講師 | 川瀬 千尋 【(株)川瀨不動産 代表取締役】 |
林業6次化 9/12(金)-9/13(土)

この木ならどんなカタチ、モノになるだろうか。木を伐る前にそんなことが理解できていたら、立木の可能性は広がります。実際に丸太を板にする。小さな材からモノをつくる。そんな木材の出口側のロマンを追求する時間になります。
― 森と暮らしをつなぐ、これからの林業を考える2日間 ―
この研修は、伐って終わりではない、木を活かし、地域を育てる林業のあり方を体感できる学びの場です。一次(伐採)・二次(加工)・三次(販売や体験)の要素を組み合わせ、林業の可能性を広げる“6次産業化”の現場を実際に見て、触れて、考えます。
研修では、小さな林業だからこそできる柔軟な発想と、地域の資源を最大限に活かす工夫が随所に感じられます。木を伐ることだけでなく、製材・加工・販売・活用までを一貫して考える視点、そして“森の出口”を見据えた実践が学びの軸となります。
たとえば、災害時には避難所としても機能するキャンプ場で、木をエネルギーや建材として循環させている現場。丸太を製材し、端材までも無駄にせず薪や温水ボイラーに活用する「木材歩留まり100%」の取り組み。そして、個人でも導入可能な製材機を活用した小ロットでの木材活用が、山側と暮らし側をつなげる可能性を広げています。
今回はチェーンソーを持たず、頭と心で林業を考える時間。
森の中の作業に留まらず、その先にある暮らし、産業、地域とのつながりを学ぶ2日間です。
木の出口を知らなければ、森づくりは完結しません。 林業の幅を広げたい方、小さくても持続可能な林業を志したい方、ぜひご参加ください。
間伐 10/17(金)-10/18(土)

北海道の里山の約7割は天然林です。地域によって環境が異なるため、その里山に適した施業方針は自身で計画していく事が重要です。 目の前に広がる森林環境を題材とし、選木、伐採等の実践的研修を通して自ら考えていく力を養います。
― 森を見て、考え、伐る ―
天然林を対象にした間伐研修を開催します。この研修では、森の未来を見据えた「木を伐る判断力」と「安全な作業技術」を、実践を通して学びます。
間伐とは、木を間引くことで森の健康な成長を促す作業です。しかし、一度伐った木は二度と戻りません。そのため「なぜこの木を伐るのか?」という問いに、自分の言葉でしっかりと答えられるようになることが、この研修の出発点です。実践者のこれまでの取り組みを交えて、間伐の基本や木の選び方(選木)の考え方を学ぶところから始まります。そして実際に森を歩き、自分の目で見て、伐る木を選びます。
「この木を残したいから隣の木を伐る」「曲がっていて将来性がない」「このエリアには今、伐る木はない」など、参加者一人ひとりが理由を言語化しながら選木を行います。選木に正解はありません。相手は自然です。はじめは誰もが迷いますが、観察を重ね、自分なりに考え、選び取る。その繰り返しこそが、森を見る力を育てます。
研修では林内作業車や軽トラックを使っての搬出も行い、ウィンチやワイヤーを活用した集材方法や運搬効率など、経営に直結する技術を現場で学びます。
間伐には伐採から搬出まで危険が伴うため、安全管理を重視し、初心者にも丁寧に指導します。
開催地 | 池田町 |
時間 | 9:00~16:00(8:45集合) |
講師 | 冨山 太一 |
ホダ木 11/14(金)

原木しいたけ栽培に必要なホダ木は年々生産本数が減少していると言われています。自家栽培にはもちろん、プロのしいたけ生産者にも自信を持って販売できるレベルのホダ木の作り方を天然林の間伐を通して学びます。
― 天然林を守りながら、自伐型林業の第一歩を ―
北海道では、原木しいたけ栽培に必要なホダ木(しいたけ原木)の生産が年々減少しています。その一方で、安定したホダ木の供給は、栽培者にとって欠かせない重要な課題です。
本研修では、北海道の天然林で自生するミズナラを活用し、ホダ木の生産を通じて森の健全な間伐と資源循環の仕組みを学びます。ホダ木は、ただ木を伐ればよいというものではありません。「なぜその木を選ぶのか」「どのように採材・選別するのか」その一つひとつに森への配慮と技術が求められます。
選木から伐倒・採材・選別までを実地で体験。尺棒を使った効率的な採材技術や、信頼されるホダ木を生産するためのチェックポイントも学んでいただきます。
ホダ木の生産は手間のかかる作業ですが、広葉樹チップ材に比べて5~6倍の高値で取引されることもあり、自伐型林業者にとっては収益性の高い選択肢となります。軽トラックやチェーンソー、ユンボといった小規模な設備で取り組める点も魅力です。
ホダ木づくりをきっかけに、持続可能な森づくりの一歩を踏み出しましょう。
開催地 | 池田町 |
時間 | 9:00~16:00(8:45集合) |
講師 | 冨山 太一 |
※開催当日の集合場所は申し込みいただいた受講者様にメール等でご連絡します。
講師プロフィール

清水 省吾(しみず しょうご)
1986年11月1日、苫小牧出身
幼少期のころから魚釣りをきっかけに自然に魅了されたフリーの木こり(里山部代表)。コウモリ研究所の副所長を務める。
生物多様性の促進と経済のバランスを保った環境保全型林業のモデルづくりを行う。
担当:チェーンソーワーク

冨山 太一(とみやま たいち)
1986年生まれ。北海道士幌町出身のアーティスト。
作品制作と個展開催を続ける傍ら、2019年頃から森づくりに惹かれ、自伐型林業への関心を深める。各地の研修会で基礎技術を学び、2021年に「冨山商店」を立ち上げる。 現在は池田町と士幌町に所有する山林で、自伐型林業と近自然森づくりの考え方を基本に、家族とともに多種多層な広葉樹の美しい森を目指して、作業道の整備や育成木間伐に取り組んでいる。薪やホダ木、白樺樹皮などの生産・販売も行う。
Instagram : tomiyama_shouten
担当:作業道、間伐、ホダ木

澤田 健人(さわだ けんと)
合同会社Hikobayu Director
樹木アロマ製造と自伐型林業を実践。ニセコ町を中心に担い手育成事業を取り組む
担当:作業道

興梠 修(こうろぎ おさむ)
1975年生まれ
北海道自伐型林業推進協議会 理事
北海道職員として林務行政の現場に携わる傍らプライベートで自伐型林業に関わる。
森林・林業に関する幅広く深い知識を持ち、山の見立て(施業方針の決定)・選木・道の路線選定など森林のデザイン部分を得意とする。
担当:樹種解説①・②

川瀬 千尋(かわせ ちひろ)
株式会社川瀨不動産 代表取締役、株式会社minotake 代表取締役
池田町地域おこし協力隊を経て、林業と不動産業を柱に独立。 管理山林や所有山林で自伐型林業を行いながら、不動産売買や特殊伐採を組み合わせた複業型多角経営を展開。 自ら作業道の敷設や間伐などを行う経験を活かし、山林売買や放置林の解決に向けたマッチング事業も展開している。
担当:QGIS・QField、林業6次化