何処の伐採現場でも山林に放置されてしまう枝葉を動物園のアジアゾウの餌として供給する試験事業がスタートしました。
札幌市円山動物園では4頭のアジアゾウを2018年にミャンマーから迎え入れました。
このアジアゾウは草食性で自然界では木々の枝葉などを食し粗食に耐えながら生きています。
動物園では十分な枝葉を用意する事は困難で代替飼料として牧草を与えていますが、枝葉に比べてカロリーが高い等の問題がありました。
動物園では北海道内の枝葉をアジアゾウに与えるため情報を収集する中、広葉樹を枝先まで無駄なく使い切る林業を実践している当会代表の(株)大西林業が目に留まり、今年1月から先行してホダ木生産時の枝条の試験納品を実施。
また、札幌市に森林を所有し当会に研修林を提供している三菱マテリアル(株)の支援も受け、札幌産の枝葉の供給が実現しました。
林業では林地残材である枝葉はバイオマス(発電所等の燃料)として一部利用されていますが、小規模な自伐型林業では大量の枝葉を処理する手段はこれまでありませんでした。
枝葉を餌として付加価値を付け適正価格で販売する事により、森林の整備が進み、就労機会の創出にも繋がるこの事業を今後は札幌市にも協力を仰ぎ、大切に育てていきたいと思います。
ゾウの寿命は60年程と言われます。
この先も末永く新鮮な広葉樹の枝葉が供給される事を期待しています。
軽トラに山盛り1台を積み込んで動物園に届けます。
アジアゾウはミズナラやイタヤカエデ、ハルニレ、ヤナギが特にお気に入り。